2020年02月06日

 カジノというギャンブルは「ゼロサム」。つまり、誰かが得をすれば、別の誰かが損をする仕組み。新たに経済的価値を生み出すわけではありません。カジノ業者がもうけるほど、ギャンブルに参加した人々が貧乏になっていく関係にあります。静岡大学教授 鳥畑与一さん 連合通信

 ◆200206・発言抄/「カジノで成長」は嘘/静岡大学教授 鳥畑与一さん

 政府はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を整備することで、税収増や観光客の増加などプラスの経済波及効果があると主張し、「成長戦略の目玉」だと位置付けています。しかし、これらは全て幻想に過ぎません。
 カジノというギャンブルは「ゼロサム」。つまり、誰かが得をすれば、別の誰かが損をする仕組み。新たに経済的価値を生み出すわけではありません。カジノ業者がもうけるほど、ギャンブルに参加した人々が貧乏になっていく関係にあります。
 別の目的に使うはずだったお金がギャンブルで消えてしまうわけで、周辺地域の消費購買力は低下します。カジノ施設から税収があがったとしても、地域経済が疲弊しては何にもなりません。IR施設には娯楽施設やホテル、レストランなどがあり、料金を割り引いて客を囲い込むのが一般的。観光客が増えても、商店街などにお金が落ちることは期待できません。
 自治体は依存症や犯罪への対策にかかるコストも覚悟しなければならないでしょう。
 私が訪れた米国のアトランティックシティーには、ラスベガスに次ぐ規模のカジノがあります。人口5万人のところに年間3千万人が訪れますが、周辺のホテルやレストランはつぶれ、荒廃した街になっていました。韓国の江原(カンウォン)ランドは韓国人が唯一入場可能なカジノです。そこでも地元はうるおわず、周りは質屋と水商売の店ばかりになっていました。
 推進したい人々は、プラスの効果を強調します。でも、マイナスの効果が大きいことを知ってほしい。そもそも人々を不幸にして経済を盛り立てようという発想は間違っています。「成長戦略の目玉」に位置付けるなんてとんでもありません。
とりはたよいち
1958年生まれ。専門は国際金融論。著書に「カジノ幻想―『日本経済が成長する』という嘘」(KKベストセラーズ)などがある。
<写真>
「連合通信・生活文化」



posted by こたやん at 22:15| Comment(0) | 明治乳業争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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