2019年03月11日

3月8日の国際女性デーに当たり、世界の労働組合は賃金差別などの是正に加え、職場における女性への暴力とハラスメントの禁止を強く訴えた。特に非正規など不安定な雇用を強いられている労働者を対象にすることが必要と指摘。連合通信

◆190312・実効性あるILO条約を/国際産別が要求/暴力とハラスメント禁止で

 3月8日の国際女性デーに当たり、世界の労働組合は賃金差別などの是正に加え、職場における女性への暴力とハラスメントの禁止を強く訴えた。今年の国際労働機関(ILO)総会で条約と勧告の採択が予定されているためだ。製造業関係の労組でつくる国際産別インダストリオールは条約内容について七つの要求を掲げ、実現を求めた。
●非正規労働者を守れ
 インダストリオールは「総会での条約・勧告の採択は、暴力とハラスメントをなくす上で歴史的なチャンスになる」と、ILOの動きを歓迎。使用者側と一部の政府の抵抗にかかわらず、実効性ある内容にすべきだと訴えている。
 特に非正規など不安定な雇用を強いられている労働者を対象にすることが必要と指摘。「3分の2の労働者はインフォーマル、臨時、自営、無給労働の状態にある。こうした人々の方が暴力やハラスメントの被害に遭いやすく、対象にするのは当然」と強調する。
 暴力行為などの発生場所を「職場」に限定しないことを要求。研修や出張、通勤、クリスマスパーティーなどのイベントの除外にも反対の姿勢だ。
 さらに、家庭内暴力(DV)の影響も考慮すべきという。被害者の多くは雇用労働者であり、退職せず雇用を維持できるような仕組みを求めている。
〈表〉条約内容への要求
「連合通信・隔日版」
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◆190312・女性の力で政治変革を/婦団連などの国際女性デー/差別是正の遅れを問題視

 2019年国際女性デー中央大会が3月8日、都内で開かれ、約700人が参加した。主催は日本婦人団体連合会などでつくる実行委員会。あいさつした柴田真佐子実行委員長(婦団連会長)は、憲法改悪や消費増税に向けて暴走する安倍政権を批判し「女性の力で政治を変えましょう」と呼びかけた。
 今年は国連で女性差別撤廃条約が採択されてから40年目の年。日本は1985年に批准しているが、世界経済フォーラムが毎年公表しているジェンダーギャップ指数(男女平等度ランキング)は149カ国中110位にとどまっている。
 国連女性差別撤廃委員会の前委員長で弁護士の林陽子氏が条約採択40年を振り返りながら、「女性の人権―進歩する世界と埋没する日本」と題して講演。とりわけ議員数など政治分野での女性参画や、賃金を含めた経済面での是正が遅れていると指摘した。
 今年の国際労働機関(ILO)総会で、職場における暴力とハラスメントを禁止する条約採択が予定されていることにも言及し「日本は対応する法案を準備中だが、まだまだ条約案が求める水準に達しているとはいえない」と述べ、改善を求めた。
 消費税10%への増税中止を訴える寸劇も披露。中小・零細企業の経営を圧迫するほか、節税対策として派遣・請負労働者への置き換えが進む恐れについて警鐘を鳴らした。
 参加者は集会後、都内をデモ行進した。
〈写真〉「改憲ノー」などのアピールを全員で確認(3月8日、都内)
「連合通信・隔日版」
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◆190312・ハラスメントの禁止を/連合/国際女性デー中央集会

 連合と連合東京は3月8日、国際女性デーの中央集会を都内で開いた。「職場のハラスメントをなくして、男女平等を実現しよう」とアピールし、国際労働機関(ILO)のハラスメント禁止条約の制定に向けて国内の運動を進めようと訴えた。
 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の土井香苗日本代表がハラスメント対策に関する国際的な動向を報告した。「(昨年のILO総会では)日本よりハラスメント法制が弱い国も法的拘束力のある条約制定に前向きになったのに、日本は最後まで態度を保留した。歴史的な使命を帯びた条約制定に、日本は消極的だ」と批判した。
 態度留保の背景には国内法の不備があるという。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で日本は唯一、セクシャルハラスメントを禁止する法律がない。HRW本部は昨年11月、厚生労働省労働政策審議会に書簡を送り、ハラスメント禁止の法制化を含む対策を求めた。「条約制定に間に合わなくても、国内法の整備は進めることができる。日本政府の立場が問われる」と強調し、その動向を注視していくと述べた。
 男女・雇用平等局の井上久美枝総合局長は「まずはハラスメント対策の国内法を整備し、条約ができたら批准運動を進めたい」と語り、国内での運動を盛り上げようと呼びかけた。
〈写真〉男女平等の実現に向けアピール文を採択(3月8日、都内)
「連合通信・隔日版」
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官製ワープア研の電話相談 25人から相談、自治体の非正規職員からは来年度に始まる会計年度任用職員制度に関するものが多かった。「新制度では1日5分勤務時間を短くする」など、フルタイム逃れの事例も告発されている。連合通信

◆190312・フルタイム逃れの例も/官製ワープア研の電話相談

 官製ワーキングプア研究会はこのほど、3月1、2の両日に行った「公共サービス非正規労働者の電話相談」結果をまとめた。25人から相談が寄せられ、自治体の非正規職員からは来年度に始まる会計年度任用職員制度に関するものが多かった。
 会計年度任用職員制度については、自治体の業務研修で「新制度は経費がかさむので委託を検討してはどうか」といったことが話し合われているとの情報提供もあった。自治体のフルタイム臨時職員からは「新制度では1日5分勤務時間を短くする」など、フルタイム逃れの事例も告発されている。5分でも勤務時間が短ければ、処遇の低い「パート非正規」として扱うことができるためだ。
 同研究会の白石孝理事長は今後、公務で働く非正規職員を対象とした常設の相談窓口設置も検討したいと語っている。

「連合通信・隔日版」
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格差と貧困を是正し、くらしを守るため、全国一律時給1500円の最賃を求める。ニューヨーク州などは時給15ドルで動いている。【見直しへ動き出した最賃制度/厚労省が検討会を設置 連合通信】【全国一律めざす自民党議連 連合通信】

◆190312・見直しへ動き出した最賃制度/厚労省が検討会を設置

 地域別最低賃金の地域間格差をめぐり、国が動き始めた。厚生労働省は4月、法改正の是非を考える有識者検討会を設置する。背景には、若者の流出をはじめとした深刻な地方の疲弊がある。この問題をめぐっては、自民党内で全国一律制をめざす議員連盟(会長・衛藤征士郎元衆院副議長)が2月に発足している。現行制度ができてから41年。制度の見直しに向けて動き始めている。
「連合通信・隔日版」

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◆190312・〈見直しへ動き出した最賃制度〉上/狙いは疲弊した地方の再生/全国一律めざす自民党議連

 3月7日に開かれた「最低賃金一元化推進議員連盟」の会合で衛藤会長は、1975年当時の野党4党が提出した全国一律最賃法案に触れ「残念ながら審議未了で廃案になった」と述べ、「最低賃金の一元化が必要。全国一律とすることは基本的人権に資する」とあいさつした。自民党の有力議員からこうした発言が出るなど以前なら考えられなかったことだ。
 この日配られた議連の役員名簿に載った国会議員は15人(表)。閣僚経験者に加え、派閥の領袖(りょうしゅう)も複数名前を連ねる。多くは、最賃が低い県を選挙区としている。
 議連幹事長を務める山本幸三衆院議員は、第2次安倍改造内閣で地方創生担当相だった。会合では「地方創生を一生懸命やるんだけどもどうしても東京一極集中がなくならない。その最大の要因が最低賃金にあるのではないか」と述べた。議連の主要な狙いが、疲弊する地方経済の再生とデフレの完全脱却にあることを示した。
 山本氏はさらに、最賃の地域間格差に触れ「『鹿児島から東京に行ってください』という(ような)もの。地方衰退政策だ」と厳しい言葉で弊害を指摘した。
 鹿児島県選出の野村哲郎参院議員は、全国最下位の時給761円に「本当に悔しい」と憤り、出席者の一人は「住む場所が違うだけで賃金が違うのはおかしい。若者が地元で結婚し出産できる。これ(全国一律最賃制)こそ地方創生であり、若者が希望を持てる政策だ」と期待を込めた。活発な議論が行われ、労働組合の集会かと錯覚するような発言と質問が続いた。
 顧問には二階俊博自民党幹事長が就いた。党内の枢要を担う幹事長が個別の議連顧問になることは極めて異例だと、自民党や厚労省の関係者は口をそろえる。
 衛藤事務所によると、議連は既に同党内の議員に賛同を呼びかけたという。今後、地方6団体や、連合、経営者団体などにヒアリングを行う予定だ。
 一方、議連には、厚労相経験者などいわゆる「厚労族」議員の名前はない。同省関係者はこれらの議員について、議連の主張には賛同しないのではないかとみる。(つづく)
〈表〉最低賃金一元化推進議員連盟役員名簿
〈写真〉全国一律最賃制を目指す自民党内議員連盟の第2回会合が開かれた(3月7日、同党本部)
「連合通信・隔日版」
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◆190312・〈見直しへ動き出した最賃制度〉下/特定最賃という妙手?/対応迫られる政党と労組

 3月7日の自民党最賃議連の会合には、厚労省の労働基準局長と賃金課長が招かれ、制度について説明し、議員から質問を受けた。
 坂口卓基準局長は同省のスタンスを問われ、「全国一律とするには諸課題を解決しないと難しい。全体を引き上げていく中で格差が縮まっていくというのが私たちの考え方だ」と慎重な姿勢を崩さなかった。
 一方、賃金課長は制度の詳細を説明する中で、最賃の水準と若者の流出・入との相関の高さを指摘。海外の制度を紹介しながら「全国一律にするには適用除外も考えないといけない」と踏み込んだ。
 そして後に問題となった発言が飛び出す。「頭の体操」と前置きした上で、昨年の入管法改正で新設された介護など外国人労働者の受け入れ14業種について、全国適用の特定最賃を入れる方向で「所管官庁と相談している」と述べた。
 地方の人手不足対策として今後外国人労働者を受け入れても大都市に逃げられては意味がない――。これが議連の最大の目的だとすれば、全国適用の特定最賃新設の提案は理にかなってはいる。実際、日本医労連は昨年、人手不足・偏在対策として新設には至らなかったものの、看護師・介護職について同様の申請を行っている。
●地賃の全国一律回避?
 しかし、全国適用の特定最賃は1989年に「非鉄金属」で改定したのが最後。効力のある業種は既にない。さらに経団連は特定最賃「廃止」の主張を近年強めており、各地で効力を失う事態が相次いでいる。純粋な意味での新設はこの約30年間、使用者側の反対で全てつぶされてきた。
 会合後に課長は記者に囲まれ、地域別最賃の全国一律制よりも、特定最賃の全国適用の方が影響は小さく現実的だと説明。既に経団連や連合にも打診し良好な感触を得ていると述べた。その約1時間後に「業種別全国一律最賃を検討」との速報がインターネット上で流れ、各紙が追随。同省は「課長の個人的見解。同省として正式に検討してはいない」と、火消しに躍起となった。
 連合の神津里李生会長は同日の定例会見でこの問題について問われたが、同省からの働きかけがあったとは認めなかった。連合担当者は「紙(文書)が提示されたわけでもなく、雑談程度の話。正式な打診とは認識していない」と話す。
 全国適用の特定最賃新設の試案について、同省は課長の私見と説明しているが、同席した基準局長は議連会合で課長の発言を訂正していない。
●政治問題として急浮上
 議連発足を受け、同省は4月、最賃の現行制度に関する有識者検討会を急きょ発足させる。人選は未定。現行制度と、海外の制度比較などをテーマに、最低賃金法改正の是非を検討するという。
 最賃の最大時給格差224円をめぐっては、山形県知事、福井県知事が全国一律制が必要との意見を表明し、全国知事会など地方公共団体も最賃引き上げに言及するなど注目が集まっている。自民党のほかには、立憲民主党が2月7日に最賃に関するワーキングチーム(座長・末松義規衆院議員)を発足させた。全国一律制を含めて制度全般について検討するという。
 7月には参院選が行われる。ちょうどその時期は、19年度最賃改定の目安を示す、中央最低賃金審議会の審議と重なる。最賃のあり方が政治問題として急浮上する中、政党や労働組合の対応が迫られている。(おわり)
「連合通信・隔日版」
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◆190312・高プロ制で最賃割れも?/審議会での議論/労働側が懸念を表明

 労働時間規制の適用をほぼ全て外す高度プロフェッショナル制度(高プロ制)の4月施行を前に、準備作業が3月、労働政策審議会の二つの会議で行われた。最低賃金との比較方法と、制度の周知に関する問題が取り上げられた。
●健康管理時間の扱い
 3月8日、労政審・労働条件分科会最低賃金部会が開かれ、省令案要綱について諮問、答申された。同部会が開かれるのは、最低賃金法の前回大幅改正時から実に11年ぶり。今回は省令策定だけが目的。
 テーマは高プロ制が適用される労働者の時給換算方法だ。同制度には労働時間規制が適用されないため、所定労働時間の概念がなく、使用者は労働時間の管理義務を負わない。そのため、厚生労働省は高プロ制に適用される「健康管理時間」で、固定的に支給される年間収入を割る方法を提起した。
 年収要件である1075万円を、年104日の休日を除き全て24時間働いたと仮定しても、時給換算額は1700円余り。最賃を大幅に上回るが、同省の賃金課長は、業績などにより変動する「賞与」の割合が極端に高い場合に最賃割れがあり得ると指摘した。「相応の年収で働く人が、そうした働き方に甘んじることはなかなか起こりえないのではないか」との認識を示した。
 労働側の富田珠代連合総合労働局長は高プロ制反対の立場をあらためて表明したうえで、「年収ベースで賃金がどのように支払われているかということと、健康管理時間が正しく把握されていることが重要。丁寧で徹底した運用がされるよう厚労省は指導を」と訴えた。
 健康管理時間は、新たにつくられた概念。社内外での労働時間をパソコンの起動時間などにより把握するよう定めている。
●偏った説明に苦言
 同6日の労働条件分科会では、働き方関連法施行に向けた準備状況について報告され、労使が意見を表明した。
 法施行の準備をめぐっては、村上陽子連合総合労働局長が「連合への労働相談では、高プロ制の適用対象にはならない労働者から、『4月から制度を適用すると会社に言われた』との相談が寄せられている」と現場の実情を語った。
 厚労省が作成した「働き方改革」に関するリーフレットでは、高プロ制について「専門的な職業の方の自律的で創造的な働き方」と説明している。村上総合局長は「労基法36条(時間外および休日の労働)と37条(割増賃金の支払い義務)が適用されないことについての記載がない。『自律的』『専門的』など価値判断が入ったものになっている」と苦言を呈した。
「連合通信・隔日版」

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